くるみの幼子/母になる

妊娠・出産にまつわる4人の女性へのインタビューと、

くるみの幼子「kind's baby」に託す童話

【川の間プロジェクト 参加作品】(企画制作:三木麻郁、「kind's baby」Chiho Yamajo)

cafe maru/東京都葛飾区

ドローイング、写真、テキスト、インタビュー時の音声、「kind's baby」

 


 

ここcafe maruの店主は、4児の母です。


Chiho Yamajoは、3児の母です。

Kind’s  babyという、くるみの揺りかごに包まれた小さな赤ん坊の人形の作者で

Kind’s  babyは、cafe maruにいつもたくさん飾られている作品です。


今回が初めての「川の間〈コネクション〉」の展示企画でcafe maruを担当しているコーディネーターは、2児の母です。

「川の間」本部と本展関係者たちとの連絡役を、主に引き受けてくれています。


その展示のためにアーティストとして呼ばれた三木麻郁は

初従姉妹を生後2ヶ月で無くした時の経験から、人の誕生を祝うための「誕生の讃歌」という作品を作っている美術家です。


この4人の関係者に共通していたことは

子どもを身籠るための身体と母性を持ち合わせた女性であるということと

それゆえに自然と話題に上がった「母であること・母になること」への関心でした。

母になること、つまり、妊娠と出産、そして子育てという生命のいちサイクルを育むことは

当然のことですが簡単なことではありません。

必要な心身のコンディションがあり、それらを満たしたうえで「母になる」というのは、奇跡とも言える確率です。


殊に、ここcafe maruは生命を繋ぐために必要不可欠な「食」を提供する場です。

「食べること」は生死と切り離せない艶かしさを持っています。

あらゆる生命は、他の生命を取り込むことで種の存続を維持しています。

そしてかつて私たちは、だれもが女性の身体に宿る生命でした。

胎児の頃の記憶は成長するにつれて早い段階で失われて行きますが、確実に誰もが経験した出来事です。

そのとき、私たちの胎内・胎外ではどのようなドラマが起こっていたのでしょうか。


cafe maruという場所で生まれた本展覧会では

まず三木が、葛飾区に暮らす妊娠・出産を経験した4人の女性たちと

くるみパンをつくるワークショップを開催し

その作業を通して、彼女達の妊娠・出産の経験を中心とした会話を行いました。

女性2人だけの親密な空気の中で繰り広げられたこの雑談のようなインタビューを元に

Yamajoはくるみの殻に守られたKind’s  babyを制作

三木はそのKind’s  babyを主人公にしたテキストを寄せました。

Kind’s  babyたちが身にまとっているそれぞれの布は

インタビューを受けた女性達から提供してもらった、思い入れのある布を使用しています。


本展覧会(2015年9月4~6日開催)では

ワークショップで作ったパンを大切に抱く母親たちのショット

制作されたKind’s  babyと彼らを主人公にした童話と詩

インタビューの音声と、文字起こしのテキストをご覧いただけます。

加えて、ワークショップで作ったものと同じレシピのくるみパンと

展覧会のためのcafe maruオリジナルメニューを、この展示空間内でお召し上がりいただけます。


どうぞお楽しみください。


三木麻郁

 

 

Project 概要

三木麻郁&Chiho Yamajo「くるみの幼子/母になる」

 妊娠・出産にまつわる4人の女性へのインタビューと

 くるみの幼子「kind's baby」に託す童話

 

期 間:2015年7月〜9月

展覧会:2015年9月4日(金)〜6日(日)  10:00~17:00

会 場:cafe maru(葛飾区立石6-33-9

 

 

コンセプト テキスト

 

「くるみの幼子/母になる」

 

くるみの幼子 ゆりかごに抱かれて

くるみの幼子 何を考えている

くるみの幼子 は、耳を澄ませて聞いている

いつか会えよう 母の声を

遠くで鳴く 鳥の声を

外の世界は急がずとも、(早々すぐに逃げはしませんし)

折を見て、伺いましょう

この心地よさは何物にも代え難いですから

もう少し 眠らせていただきま す

 

くるみの幼子 母は あなたに 護られると言った